その03
お互いに尊敬し合う姿勢と、
二人の華麗な
連携プレイ。
税理士さんがお二人いらっしゃる事務所ってことは、お客さんとの打ち合わせに夫婦で行かれることもあるんですか?
担当のお客さんが決まってる場合が多いので、基本は一人で動きますが、二人で行くこともありますね。
お客さんによっては、妻ばっかり頼って、僕には相談してくれない人もいるし(笑)。
なんでだろうね~。
…怒られたいんじゃない?
え、怒られたい…!?
実は厳しいところもあるんですよ、この人。
「最近ちょっと叱られてないな」「ビシッと怒ってほしいな」なんて人に、おすすめです(笑)。
ちょっとちょっと。
いつも怒ってるイメージ持たれたら大変じゃない(笑)。
じゃあ、智子さんから見た伸二さんは、どんな税理士さんですか?
税務に関することは、絶対に私よりも詳しいから、ただ悔しいですね(笑)。
経験が多い分、引き出しが多いんですよね。
私がちょっと行き詰って相談すると、必ず解決の糸口を教えてくれるから、そのたびに「そんなやり方があるんだ!」って思い知らされます。
頼りになるけど…。
…悔しいなぁ。
いやいや、僕なんかよりこっちの方が、お客さんとのコミュニケーションが上手な時、たくさんありますよ。
僕ではできないことを、スッとやってのけたりします、この人。
と、言いますと?
僕が長くおつきあいさせていただいてるお客さんがいるんですけどね。
何年も「絶対こうしたほうがいいですよ~」と、口をすっぱくして言い続けても、なかなか重い腰を上げてくださらなくて。
半ばあきらめかけてたんですが、なんと妻のひと言で、スッと決断して動いてくださったんです。
あ~、そんなことあったね。
なんか、上手いんですよね。
説得するのが上手いのか、話の持っていき方が巧みなのか…。
コミュニケーション能力の違いですかね。
そこはちょっと悔しい(笑)。
あとは、お客さんが女性の場合は、絶対勝てないな~と思います。
男女でそんなに違うものなんですか?
例えば、相手が僕らと同世代の女性の場合。
仕事ひと筋の男性にアドバイスされるのと、子育てを経験した女性に言われるのとは、共感度が違いますからね。
なるほど。
でもそうやってお二人がお互いを尊敬し合って頼りあってる関係って、とっても素敵。
最高のペアですね!
そうだといいなと思って、一緒にがんばってます。
あと、二人で関わるお客さんと言えば、家族経営の会社さんとかですかね。
家族経営?
例えば、長く続いている会社さんがあるとしますよね。
60代前後の社長と、その跡を継ぐ30~40代の息子が経営に携わっているパターン。
これ、場合によっては、意外と難関だったりするんです(笑)。
難関?
全部が全部ってわけではないんですけどね。
息子さんは「新しいことにチャレンジしたい」。
父である社長さんは「これまで守ってきた会社があるから踏み出せない」みたいな。
なるほど。
ひとたびぶつかっちゃうと、親子だから言いたい放題なんですよ。
意見がぶつかるときは、まったく真逆のことを言ってたりしますし。
そうそう、喧嘩になっちゃったりとかね。
息子さんの方が「親父の言ってること、わけわからんでしょ?」なんて私たちに同意を求めてきて。
思わずうなずいたら、もう大変!(笑)
確かに…。
でも同意しないわけにはいかないし、大変そうですね。
今までは、ふむふむと聞くことしかできなかったんですけどね。
うちが二人体制になったことで、そういう時でも話が進めやすくなったかな。
と言うのは?
昔からおつきあいがある会社さんの場合が多いので、社長(父)の話を僕が聞いて。
で、息子さんの話は私が聞いたりとか。
なるほど。
こっちも、二人体制!(笑)
私はずっと子育てをしてきたのもあって、若い子の意見をできるだけ聞いてあげたいな、応援してあげたいなって思うんですよね。
失敗したっていいから、親がまだ手を差し伸べる体力があるうちに、ぜひチャレンジしてほしい。
でも、今まで会社を守ってきたのは社長ですからね。
息子さんへの過度な応援は、これまでの会社方針自体を否定することにもなりかねないんです。
確かに…。
そんな時は、僕が社長の意見を聞きます。
向こうも二人、こっちも二人で、解決方法を探っていくんです。
間に入る人間がどちらかの肩を持つとうまく話が進まないし、どちらかが納得できなくなっちゃいますからね。
私は、息子さんと一緒に「こうしたいね」「ああしたいね」って話をして。
首を傾げている社長には、夫がすっと寄り添うんです。
そうすると、意外といい方向に話が進んだりするんです。
華麗な連携プレイ、ですね!
不思議なもので、私が社長を説得しても全然ダメなんですよね。
そういうところは、この人の方がうまいな~と思います。
うまいんじゃなくて、心からそう思ってるからだね(笑)。
親子でもいろんな考え方があるし、どっちかが正しいってわけじゃない。
だから、両方からいろんな話を聞きたいし、それを話しやすい環境を作りたいと思っています。
確かに、ただ一人で両方の話に共感してても信憑性がないですもんね。
ちなみに、そういう時は、お二人の中で「どっちがどっちに付く」って事前に決めてるんですか?
いやいや、決めません。
自然と分かれます(笑)
お二人だからこそできる技ですね。
さすがです!
でも気づくと、税務と全く関係ないことにまで首突っ込んでたりしますからね(笑)。
それだけ頼りにされてるってことですね。
お客さんと素敵な関係を築いていらっしゃるんだなぁって、お話を聞いてるだけでわかります。
お二人みたいな人が相談に乗ってくれるのなら、どんなことも話したくなっちゃいそう!
ありがとうございます。
些細なことでも相談してみようかなって思ってもらえる相談相手でいたいですね。