その04
本当に大切なのは、
利益の先。
みんなで幸せになれる
会社づくりを。
伸二さんや智子さんが、日々のお仕事の中で大切にしていることや、心がけていることは、どんなことですか?
頼まれたことをしっかりこなすのはもちろんですが、我々が「本来の目標を見失わない」ことを心がけています。
本来の目標?
経営者さんって、大きな責任感から、「自分がなんとかしなきゃ」「たくさん利益を上げなきゃ」って、思い詰めてしまう場合があるんですよね。
でも「利益を上げる」ことが目標になっちゃうと、数字だけを一生懸命追っかけてしまうんです。
数字「だけ」…?
でも、利益を上げるためなら、数字が大切なのでは?
もちろん、数字をちゃんと見て、分析することも大切です。
そもそも、それを手助けするのが僕らの仕事なんですけどね。
でも、数字ばっかり見てると、「利益、利益!」って、どうしてもそっちばかりが目についてしまう。
はい。
極端なことを言ってしまえば、従業員の給与を減らせば、すぐにでも利益を上げることは可能です。
でも、それは大きな間違いなんですよね。
会社が利益を上げるためにがんばっているのは、経営者だけじゃなくて従業員さんも一緒。
さらに、経営者の家族や、従業員の家族の協力があってこそ、会社は成り立っていると思うんです。
従業員さんががんばって働いているのに、数字が上向いて喜んでるのが、経営者だけだなんて、何だか寂しいですよね。
確かに。そう思います。
経営者は、会社が大きくなればなるほど、利益を追いかけることに必死になってしまうことがあるんです。
ただ、その気持ちもわかるんですよ。
だって会社がつぶれちゃったら大変。
それこそ、なにもかもが崩れてしまいます。
ただ、数字ばかりを求めすぎると、一番大切なことを忘れてしまうんですよね。
一番「大切なこと」?
「会社で働く全ての人と、その家族の幸せ」です。
追いかけている「利益」の、「その先」ですね。
自分がどうしていきたいのか。
誰を幸せにしたいのか。
そのために、どれだけの利益を出さないといけないのか。
これが、本来の考え方だと、僕たちは思っています。
なるほど。
数字ばかりに目がいってしまうけど、実はそうじゃないってことなんですね。
はい。
だって、働く理由って、「毎年売り上げを上げ続けてぼろ儲けする」ためじゃなくて、「自分や周りが幸せになるため」でしょ?
会社の利益が上がったのなら、従業員さんの給与も可能な範囲で増やしてほしいし、「とにかく儲ける」ってことよりも、なるべく安定した経営で、みんなの幸せを守っていくべきだと思うんです。
どれだけたくさん売り上げがあっても、そこで働く人たちが幸せにならなかったら意味がない。
会社を守らないといけないし、利益も上げないといけないけれど、数字自体が「最終目標」になっちゃいけないんですよね。
確かに、数字が目標だと、「利益を出したら目標達成!万歳!」ってゴールすることになっちゃいますよね。
そう。
だけど、それで喜べるのは、その数字を見てる人だけでしょ。
そうではなくて、「利益をベースに何ができるか」という、その先が一番大切にしないといけないことなんですよね。
「経営者や従業員、そしてその家族が幸せになる」ことが目標。
そのための手段として「利益を上げる」のなら、やり方も変わってきます。
おさえるべき経費と、達成したい売り上げ、従業員さんの給与の見直し。
これらは、外部から経営を見つめている我々が、その会社に合ったスタイルで導き出すべきところなんですよね。
そういう「利益の使い方」をお伝えしていきたいですし、その仕組みづくりを、お客さんと一緒に構築していけたらいいな、と思っています。
なるほど。
「経営者や、従業員や、その家族が幸せになる」ことが、本来の目標。
はい。
そうだと思ってます。
本当に大事なのは「利益の先」。
だから、数字だけで満足しちゃいけないと思うんですよね。
税理士さんって「数字を見てくれる人」ってイメージがとても強かったので、そんなお話が聞けてちょっと驚いています。
家族より大切なものって、ないと思うんです。
周囲みんなが幸せになれるような会社を、経営者や従業員さんと一緒に作っていけたら、我々もとても幸せです。